2017年4月30日日曜日

INDUSTAR 50-2 50mm F3.5の解体清掃、グリスアップ

ひょんなことからINDUSTAR 50-2 50mm F3.5 、旧ソ連製のオールドレンズを入手しました。
そのメンテナンスを主に書き連ねてみます。
参考程度に捉えてくださいね。


1.紹介 

完全なる衝動買いでした。

レンズの詳細につては調べれば出てくるので割愛しますが、どうやら手に入れたのは「海外輸出用」のようです。国内用はキリル文字だそうなのです。

以外にも高い解像度が得られること、独特の操作感であることにハマりました。
 
Made in USSR。しびれますね~

事前調査で絞りリングの操作時にピントリングが連動してしまうという革命的機能があるとはわかっていましたが、これも見事に実装済み。F値は先に決めましょう。

あと一つ。ピントの目盛りが無限遠と・・・
最短距離で
微妙に合わないんですよねこれが。


それなりに古いものなので、絞りリングの操作がスムーズではなく、「ゴリゴリ」という擦れる感覚があります。クリックではありませんでした。
金属のこすれるゴリゴリは気分が悪いので、なんとかしてやりたいという欲望にかられます。
(←分解したいがための言い訳)


ならば仕方がないから分解清掃してやりましょう。より快適にするためのメンテナンスには手を惜しみません。

2. 解体

まずはピントリングの3つのイモネジを外しピントリングを抜きます。次に本体側のイモネジを外し本体側リングを抜きます。

ボケてますが、2枚のリングを抜いた後です。


この構造。結構好きです。

本体側の鏡胴を外すには、ピントの鏡胴を無限遠側一杯に回して、溝にドライバーを差し込み、ピンを抜きます。
この外し方ががわからず、苦戦しました。

ピントの鏡胴の溝。

  そして黄色い塊と古いグリスをふき取ると、かなり綺麗になります。
アルミ削りだし感がたまらないですね~
 
画像が前後しますが、絞り機構は本体側のイモネジを外し、リングを回すと抜けます。
イモネジは片側だけでした。反対側はそもそもないようです。

絞りのパーツ。

 ネジの間にスライムがいたので、キムワイプで退治。
 

3.グリスアップ

最初はピントリング、絞りリング共にシリコングリスを塗りましたが、ネチョネチョする感覚とわずかに残るゴリゴリ感。
大きな力は掛からないし、ゆっくり動くし、移動も大きくない。このまま使っても問題ないと思いますが、気になるんです。

 シリコングリスをせっかく塗布しましたが拭き取ります。
たまたまシリコングリスが後ろに写りこんでいます。アルミ同士には合わないようです。
結局残存グリスの清掃になっただけでした。

次に使ったグリスはみんな大好き、タミヤのモリブデングリス110g。
これを塗っていきます。

やっぱりアルミ面に黒いグリスを塗ると機械っぽさが出ていいですね(感想)

最初はピントリングのみモリブデングリスを使っていました。
ですが、絞りのシリコングリスもネチョネチョ感が気になったので、絞りの方もモリブデングリスに塗りかえました。二度手間。


アルミ同士の摩擦面にはシリコングリスはよくない気がします。(体験者談)

最終的にピント・絞りともにモリブデングリスにしたわけですが、これがすこぶる調子がいい!(実体験)
引っかかりもなければネチョネチョもなく、適度な抵抗感です。

しばらくはこのまま使用してみます。

嬉しくて動画にしました。
ね?
まるで絞りとピントリングが連動しているみたいでしょ!!

・・・え?一緒に動いちゃダメなの?
いいんです、満足したので。