2016年2月2日火曜日

FreeTrack 3点クリップの自作(割りばし)

War ThunderにおいてfreeTrackを導入してみた、その顛末を紹介したいと思います。



1、wiiリモコン導入失敗

いきなり失敗からとなります。
まず、光源を検出するためのセンサーとしてwiiリモコンが使える、というので、pcに接続しようと試みました。
しかし・・・丸一日かけても上手く接続できません。

wiiリモコンは初期型、pcはvaiopro11を使用しています。
「Btcon」やwiiリモコンを教育用に使っている有志の方々のソフトウェアをインストールし、pcとの接続はできましたが、思い通りに認識していないようです。
freetrackでsource→wiiremote#1は選択できますが、startがグレーアウトし選択できません。

「WiinRemote」(wiiリモコンをHIDとして使用するソフト)でも認識はするが、ボタンが押せず、「wiiマッサージ」は問題なく使用できたので、ペアリングはできてもボタンやirセンサーが使用できないのでしょうか。

結局、なんだかんだで pcの内蔵カメラは使えるので、そちらを使うことにしました。(1.5日消費)



2、トラッキングクリップ制作

まずは完成形です。



お分かりかと思いますが(?)、メガネに装着できます!

ヘッドホンを持っておらず、普段PCメガネを使っているので「メガネ装着型」の簡単なトラッキングクリップとしました。

みなさん、結構立派なものを作られていますが・・・

加工しやすく、手軽に手に入る材料として棒はわりばし、支柱はクリップを加工しました。
本当は赤外線LEDを使いたかったのですが、手元にないので赤色LEDとし、支柱はわりばし、クリップで制作しました。

すべてあるもので作ったため、新しく購入したものはありません!

「メガネ装着型」なので極限まで軽量化が必要です。
PCメガネよりも十分軽いですが、やはりこれでもメガネが傾いたり、右耳が痛くなったりします。
もっと軽くできそうですが・・・


初期案はこんな感じ


接着せず、わりばしに穴をあけてそこにクリップを通す作戦です。
LEDの位置はよくわからないのでFreeTrack初期位置のままとしました。


ふう・・こんな時に三角関数の知識を使うだなんて・・・



 この概要図は後々重要になります。


メガネは簡単に外せるように、針金で固定します。
その針金を取り付けるためにR(中央)のLEDの所に水平に桁を追加しました。


わりと思い付きで製作するため、いきなり進んでいきます。



回路含め、諸々はPeCa Tactical HQのFreeTrackを参考にさせていただきました。抵抗の計算も先のサイトからFreeTrack公式HPの計算サイトを紹介していただき参考にしました。

抵抗は、過去に分解したマウスから適当な抵抗器をかっぱらって組み込んであります。


針金はおもちゃか何かの梱包に使われていた被覆付きを使いました。
これなら加工しやすく、メガネを傷つけません。


 
この状態で待つことができず、(すでに3日目・・・)とりあえずFreeTrackに認識させてみました。

LEDの光が弱い! 光ってんのかコレ!
顔やメガネ反射のほうが明るいではないか!

LEDの発光が弱い
回路の再設計は面倒
部屋を暗くして、背景も黒くすればいいじゃん!
ん?わりばしが反射してない?
そうだ、黒くすればいいんだ!


黒く塗ってみました。
はいどうみても夜間迷彩ですありがとうございます。

可視光線を拾う方法のため、こんな努力もしました。赤外線では必要ないでしょう
実はテープも黒くなってたりします。


LEDの位置は現物合わせです。


メガネは下の写真のように固定します。曲げ直しがきくので便利です。


 最終的にこうなりました。
 電源のコードを後ろから導くようにしたのですが、これが引っかかりにくくしてくれます。




3、設定など

初期設定のままでは頭が全然動かないので(そりゃそうじゃ)、War Thunderの公式フォーラムの画像を参考にパラメータを設定しました。Google先生に聞いた、ともいいます。

また、出撃の前は必ず"center"ボタンで中心を取っておくことを推奨します。多くの場合、姿勢が変わっているので。

USB給電のためか、肝心のLEDの光が弱いです。なので背後に黒い幕(フリースのブランケット)をかけ、部屋を暗くし、本体を黒く塗るなど、「カメラにノイズが入らない努力」に全振りしています。
そのため光源が多少弱くてもなんとか使用できたのですね。

「Threshold」のバーを右1/5くらいのところにしてひっそりとトラッキングします。


4、感想

ほかの方も言っておられましたが、可視光LEDは

昼は外の明かりが眩しくて、夜はLEDがモニターに反射する

というジンクスに陥るわけです。
どこまで妥協できるかの戦いになるわけですね。今、冬なので背後にフリースのブランケットなんてかけられますが、結構暑いです。こたつの中にいるみたいです。ブランケットしまったらどうしましょうか。

ってことでやはり赤外線LEDでの制作が必須、となるのでしょう。


肝心のゲーム内でのトラッキングはかなり楽しいです。
3時間くらいぶっつづけでテストフライト、ユーザーミッションをやっていたと思います。

普段からレースゲームでカーブを曲がるときに、顔や体が動いていた気もするのですんなりと導入できました。視点変更のストレスから解放されました。超気持ちいいです。(ただ、だからといって勝率が上がるわけではない)

特徴としては、
・どうしても3つの光源が絶対なので、カメラの視野から消えるとトラッキング不能になる
・突然とんでもない方向を向いたりする
・視点がぶれやすいので、機体名などの小さな文字は非常に読みずらくなる

などの難点は感じましたが、これらは訓練や設定で何とかなるでしょう。
言うこと聞かない多くの場合、熱中して前につんのめる形になっているので、頭をCenterボタンを押した元の姿勢に戻します。

使用したLEDは広角ではないため、あまり横を向けない、というのも関係していると思います。


~後記~

自由に空を見渡せる快感は素晴らしいですが、本当に大変でした。
休日を使い、丸3日(+この記事の作成)はかかったと思います。

結局、可視光LEDでは限界があるので、やっぱり近い将来、赤外線LEDで作り直したいと思います。

もう一度言います。本当に大変でした。